【質問内容】
猫 MIX 7歳です
肥満細胞腫が両耳に1つづつ出来てしまいました。
手術で取るのですが、
一般的な予後の経過ってどんなもんでしょうか?
【回答】
“現時点”での回答としては『まだ分からない』としかお答えできません。
というのも、肥満細胞腫は良性のものから悪性のものまで幅広くあります。
これらは手術で摘出した後、病理検査を行うことによって明らかになるからです。
しかし、一般的に猫の皮膚肥満細胞腫は犬のそれと比べて、良性のものが多い(約90%)と言われています。
また、転移率は5%以下と言われています。
具体的な再発率については議論が多くされていますが、今のところ転移率は0~24%と幅広い数字になっているため、再発に関しては摘出後にしっかりとモニタリングを行っていく必要があるでしょう。
再発は術後6ヶ月以内で最も多く見られます。
猫の皮膚にできる肥満細胞腫は大きく分けて2つのタイプがあります。
①孤立性肥満細胞腫
孤立性の肥満細胞腫は文字通り、皮膚に限局して存在いるタイプのものです。
皮膚に限局しているため、ほとんどは外科的切除で完治します。
②播種性肥満細胞腫
播種性とは『あっちこっちに飛び散る』といった意味合いです。
文字通り、皮膚にできた肥満細胞腫が転移していくタイプのものです。
猫の肥満細胞腫は脾臓での発生が多いです。
脾臓で肥満細胞腫が発生した場合は
食欲が落ちる
体重が減る
元気がなくなる
といった症状が見られます。
こちらに関しても脾臓の摘出で著しくQOLが向上することが知られています。
【オタ福の見解】
猫では皮膚の肥満細胞腫よりは脾臓の肥満細胞腫の方が有名です。
脾臓の肥満細胞腫は転移率が高く、全身症状が出るという一方で、
今回の症例では皮膚肥満細胞腫です。
猫の皮膚肥満細胞腫は比較的良性の挙動を示すことが多く、転移率、再発率も低いことから、予後は良好ではないかと思います。
ただ、まだ病理検査の結果が出ていないため、詳細な予後については検討の余地があると考えています。
【ちなみに】犬の肥満細胞腫については…
犬の肥満細胞腫については
オタ福の語り部屋『一番多い、皮膚の肥満細胞腫って?』へ
猫の肥満細胞腫は『ペットの病気図鑑』へ
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