【目次】
【質問内容】
『人間も腸の状態が良いと身体の調子が良いと聞いていましたので、
犬も同じかと思い自分でヨーグルト菌に牛乳を入れヨーグルトを作っています。
それをドッグフードにかけて犬に食べさせているのですが、
それって本当のところ良いことなのでしょうか?
それからヨーグルトに地元産のきな粉とオリゴ糖をかけて混ぜ混ぜしてるのですがそちらも気になりますので教えてください』
【回答】
腸内細菌と健康の関係
ヨーグルトに含まれる細菌は『乳酸菌(ラクトバチルス)』といい、腸内細菌の腸内フローラを整える善玉菌です。
では、なぜ腸内フローラが整うと健康であると言われるのでしょうか?
腸内細菌は定期的に腸粘膜から、体内に取り込まれています。
体内に取り込まれると、免疫反応を起こし、免疫力を活性化させます。
免疫学的な説明←専門的なので、読み飛ばしてもらって大丈夫です!
腸内細菌の一部を粘膜上皮から取り込んだ後、
タンパク質を抗原として樹状細胞が認識し、リンパ節内でB細胞へ抗原提示を行っています。
腸内細菌の抗原提示によって、サイトカイン産生細胞から血中のIL-17、IL-22、INF-γ、TNF-αの値が上昇します。
これらのサイトカインの主な役割
・IL-17:好中球を増やし、細菌や真菌を倒す
・IL-22:腸内細菌の侵入を防いでいる
・INF-γ:B細胞やマクロファージなどの免疫細胞を活性化し、免疫力を上げる
・TNF-α:感染の予防や、抗腫瘍効果を示す
これらのサイトカインが活発に産生されることで免疫力がアップします。
つまり、
『ヨーグルトを食べると、腸内細菌が整えられる
→正常な腸内細菌によって、体の免疫力は上がる
→免疫力が高いと病気になりにくい』=健康的である
ヨーグルトと健康については、この理論で良いでしょう。
人でいいなら、犬でも良いのか?
結論から言うならば、体質によりけりでしょう。
しかし、犬では乳糖不耐症の子が多いです。
乳糖不耐症とは牛乳などに多く含まれる乳糖という成分を体内で分解する酵素を持たない体質のことです。
ヨーグルトには牛乳と比較して少ないですが乳糖が入っています。
人でも稀に見られるこの体質ですが、犬では多いため、ヨーグルトを食べるとお腹を壊す子がいます。
逆にお腹を壊さないようであれば、ちゃんと乳糖を分解できているので大丈夫でしょう。
【オタ福の見解】
僕は基本的に人間が食べているものを与えること自体、あまり前向きな考えを持っていません。人と動物ではやはり違う代謝経路を持っています。
ヨーグルトとは関係はないですが、人間の食べ物を食べている犬や猫では、膵炎、糖尿病、尿石症などのリスクが上がることもわかっています。
こういった理由から、犬は犬用のものを食べさせるべきだと個人的には思っています。
ここで2つ目の質問を答えることになるのですが、僕としてはきな粉もオリゴ糖もやめた方が良いと思います。
こればっかりは人によって意見は分かれますが…。
ヨーグルトは少量あげるなら良いという人もいます…。
しかし、オリゴ糖などの糖分を混ぜて与えるのは糖尿病のリスクをあげるため、やはりオススメしません。
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