【目次】
- 【質問内容】
- 【回答①:いい獣医とは?】
- 【回答②:いい病院とは?】
- 【回答③:獣医が信頼できる飼い主さんとは】
- 【オタ福の見解(まとめ)】
- 【病気の徹底解説は『オタ福の語り部屋』まで】
- 【病気の個別相談は『オタ福の質問箱』まで】
【質問内容】
①オタ福先生の考える、良い獣医とはどんな人ですか?
②病院選びのポイントあれば聞きたいです。 インフォームドコンセントの観点でもどの程度までの説明や案内があるのが良い病院なのか…など、いまいちよくわからないのです。
③あと、よくこういう事で悩む際に『獣医師との信頼関係がないから』という意見も聞きますが、獣医師が患者を信頼できるって具体的にどんな点だとお考えでしょうか?
【回答①:いい獣医とは?】
いい獣医、いい病院とは何かというご質問です、
まずいい獣医について話していこうと思います。
①身体検査を念入りに行う
抽象的なので、具体例を挙げつつ説明します。
・視診
犬の顔つき(目や口の内部に至る)、耳は汚れていないか、皮膚で異常なところはないか、毛艶はいいか、肛門周囲など目に見えるところはくまなくチェックします。
診察室に入ると動物は緊張してしまうため、待合室で犬がどのような様子なのか、予め裏からチラ見している人もいます。←ちょっとやり過ぎではありますが(笑)
・触診
身体検査では体表リンパ節全てを両手でしっかりと触診し、お腹が張っていないか、異物はないかをチェックします。
指先をつねって、疼痛反射があるか
粘膜を押してCRT(グッと指で押して、白くなった部分がピンク色に戻るまでの時間のこと)を測ったり
・聴診
心音と肺音がメインになります。これらの雑音が混じっていないかをチェックします。
こんなの当たり前じゃん!って思う人もいるかもしれませんが、
当たり前にできない獣医師がどんなけいることか…
あんまり獣医を煽ると怒られそうで怖いんですが、テキトーに雰囲気で身体検査を流している獣医は山ほどいます。
これに関しては町のお医者さんでもあると思いますが…笑
では、なぜ獣医ではこの身体検査が大事なのかというと
動物は話さないからです。
人では「最近、息切れがひどい」、「頭が痛くて、咳も出る」
など自分の症状を説明してくれます。しかも、「いつからそれが始まったか」とか「どのような痛みか」など事細かい教えてくれます。
動物はそれができないため、
やはり獣医師がしっかり身体検査を行うことが大切です。
いい獣医の条件として『身体検査を念入りに行う』が挙げられます。
②飼い主の話をよく聞く
これは先ほどの動物が話せないという件の延長ですが、その動物のことを一番よく知っているのは飼い主さんです。
飼い主さんは動物の代弁者であり、
治療を行う上で非常に大切な獣医のパートナーであり、
患者の一番のサポーターです。
飼い主さんを素人だと邪険に扱う獣医は論外です。
飼い主さんがどのようなことを心配しているのか
何を治して欲しいのか
その要望を汲み取り、叶えてあげるのが獣医師の本来の職務です。それが獣医療という形で具現化されているわけです。
ですから、
「俺が治してやる、俺の治療方針に従え!」というワンマンスタイルの獣医
や
診察するやいなや「この病気はこうなので、この薬出しときますね」などと、飼い主さんがまだ話したい事・気になる事を言えないまま、診察が終わる獣医
も要注意でしょう。
おそらく、その辺は飼い主さんが一番敏感に感じ取っていると思います。
(この先生、なんか違うなぁ…)と悩まれている方はこれに該当するのではないでしょうか?
③治療戦略をしっかり説明
いい獣医とは治療方針をこれでもかとしっかり説明します。
というより、説明したい!という気持ちが強いです。
なぜなら、それだけ勉強しているからです。
病気についてしっかり勉強している獣医は
・たくさん質問して欲しい
・この病気についてもっと話したい
・自分の治療戦略を聞いて、納得して欲しい
など、むしろ
能動的に意気込んでいった結果、めっちゃしっかり説明してたみたいなパターンが多いです笑
逆に、説明が浅く、忙しそうな雰囲気やうやむやに濁すような話し方をする獣医はこの病気についてわかっていないことが多いです。
聞かれたくないから、早めに切り上げるといった感じでしょう。
それが二個目で話したワンマンスタイルや質問を受け付けないということに繋がります。
この辺も飼い主さんの不信感に繋がると思います。
(なんか頼んないなぁ…)と感じる場合はこのパターンが多いでしょう。
まぁ確かによく見られる病気については必ず即答できるレベルまで挙げておくべきですが、珍しい病気や難病の場合は飼い主さんも手加減してあげて下さいね(笑)
④十分なインフォームドコンセントとは?
どの程度のインフォームドコンセントがいいのかというご質問ですが、
『あなたが治療方針に納得でき、満足するまでです!!』
飼い主さんはペットの病気を治して欲しいという依頼主です。
先ほども言いましたが、その依頼を解決するのが獣医の仕事です。病気を治すのが獣医の仕事ではありません 。
なので、納得するまでどんどん聞いていいのです。それで納得できない場合はその獣医とは合わないということです。
【回答②:いい病院とは?】
いい病院とはどのようなものか、何を比べていい病院にするかというのは飼い主さん目線と獣医師目線では異なるでしょう。
獣医師目線でいい病院といえば、
・設備(オペの機械・CT・MRI)が整っている
・スタッフが多い
・ホワイト企業である(笑)
などです。まぁ、でもこんな話はここでは必要なことはわかっています(笑)
では、本題です。
飼い主さんにとっていい病院とはどのようなものでしょうか?
①スタッフ間の連絡がよく取れている
動物病院のスタッフとは大きく分けて3つのチームに分かれています。
獣医、看護師、受付
この3つの連絡がうまくいかないとミスが増え、効率が悪くなります。
見分けるポイント
「ごめんなさい、わんちゃんもう一度お預かりします」
など、検査のやり直しが目立つこと
「私の方が早く受付したのに、なんであの人が先なん?」
などの順番や治療以外でのトラブル?凡ミス?が多いこと
②家から近い
治療が長引くような病気では、通院は必須になります。
この時、いくら設備が整っていて、いい獣医さんがいるといっても、長時間かけての通院は動物、飼い主さんともにかなりの負担になります。
そのため、通える圏内の動物病院を探すべきだと思います。
確かに専門医がいる病院で診療を受けたいという気持ちは理解できますが…
まぁ重症度にもよりますよね…
ごめんなさいはっきりとした回答ができず…
でも、体に負担がならない程度の距離で通える病院を探すべきだと思います。病気はかなり長期戦になる場合もありますから。
③設備は意外と気にしなくていい
どこの病院がいいかなと探している方にぜひ読んでもらいたい項目ではあります。
設備はたくさんあって大きい方がいいかな、なんて考えてしまうと思います。僕もそうです。しかし、最初の診療でいきなり大きな設備が必要なんてことはありません。
CTやMRIなど大きな設備による検査はほとんどが全身麻酔下で行います。
つまり、どういうことかというと
CT・MRIが必要な具体的な状況とは
『身体検査をしっかりして、
レントゲンやエコーなど無麻酔でできる検査を全てやった
→でも、まだ分からない
→よし精査するためにCT、MRIだ!』
あるいは
『手術が決定した
→どこまで腫瘍が浸潤増殖しているか分からない
→よし、手術直前に精査するためにCT、MRIだ!』
という時だけなのです。
動物を飼われている方はわかると思いますが、
全身麻酔をかけるにはリスクがあります。
全身麻酔のリスクを上回るメリットを見出した時にしかCT・MRIは行う必要がないのです。
ですから、必ず大きい設備がある病院の方がいいといった訳ではないです。
そして、小さな病院でもそういった精査が必要ならば大きい病院を紹介します。
設備に関しては心配しなくて大丈夫です。
【回答③:獣医が信頼できる飼い主さんとは】
獣医が信頼できる飼い主さんってどうだろう?
「本当に大丈夫なのか?」みたいに疑ってかかられると、こっちとしても萎縮してしまい、言いたいことが言えなくなります。
どこまで、治療効果があるかはその子次第なので、分かりません。
納得いくまで質問して頂くのは構いませんが、それが尋問?というか、全部何で、何で?って聞かれてしまうと困ってしまいます。
さっきと言っていることが逆じゃんって思われた方はごめんなさい。
でも、人間同士の付き合いなので、疑いの質問か、本当に分からないからの質問かは恐らく皆さんも分かるはずだと思います。
意地悪な感じでは来ないで頂きたい(笑)
あとは非協力的な飼い主さんですかね?(笑)
もちろん、お仕事等されつつの介護になるので、薬の時間や量を決まった通りあげられないのは承知です。
ただ、努力して頂けているか、怠慢かは分かります。
やはり、ここも人と人の関わりなので伝わってきます。
とはいえ、こちら側はもう信頼するしかないので、そこまで飼い主さんがどうこう意識してこっちに合わせるってのも何か違う気がします(笑)
陳腐な例えになりますが、
美容院行って、お客さんが美容師に気を遣いつつ話題を振ってるようなものですから(笑)
まぁそこまで、気にしなくてもいいと思います!
【オタ福の見解(まとめ)】
僕の見解というか質問自体が僕の考えを問う質問だったので、この章ではおさらいをしましょー ^-^/
いい獣医の条件4つ
①身体検査を念入りに行う。
動物は話せないので、よく検査することが大切です。
②飼い主さんの話をよく聞く
あなたが何を気にしているかを汲み取ってくれる
③治療戦略をしっかり説明
勉強している獣医は説明したくて仕方がない
④ インフォームドコンセント
あなたが納得し、満足するまで説明してくれる
いい病院の条件3つ
①スタッフ間の連絡がよく取れている
検査のやり直し、凡ミスが無いかをチェック!
②家から近い
無理せずに通える圏内の病院がいい
③設備は意外と気にしなくていい
全身麻酔のリスクを上回る検査はそれほど無い
獣医が信頼できる飼い主さんとは
基本的に飼い主さんを信頼しています。
飼い主さん側が信頼して頂けると、こちらも信頼します。
『与えよ、さらば与えられん』 ですね!^-^/
【病気の徹底解説は『オタ福の語り部屋』まで】
オタ福の語り部屋では『獣医学の追求』をスローガンに徹底的に病気を解説しています。ぜひ、遊びに来て下さい。
【病気の個別相談は『オタ福の質問箱』まで】
かかりつけ医がいる飼い主さん限定で個別に相談を受け付けています。
「うちの子、似たような病気かも…」など
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