【目次】
【質問内容】
お家でも飼い主がわかる貧血チェックや犬猫の状態などあれば教えて頂きたいです。
【回答】
お家でも簡単にできる動物の身体検査?健康状態チェックを見ていこうと思います。
『眼球をチェック!!』
「目は口ほどに物を言う」なんてことわざもありますが、動物にもそれが適応するかもしれません(笑)
お家でできる眼球のチェックとしては
①左右対称かをチェック
顔の構造は基本的に左右対称です。
・目の大きさに異常はないか?
・眼球が突出していないか?
・斜視はないか?
そういったものチェックしてみましょう。
②眼瞼結膜をチェック
これはいわゆる「あっかんべー」のポーズですね笑
目の下の皮膚を引っ張り、眼瞼結膜を観察します。
ポイントは結膜の色です!
正常時はピンク色をしている結膜ですが、
・黄色:黄疸を示唆→肝疾患や溶血が起きているかも
・蒼白(青白い):貧血を示唆→全体的な体調も確認しておこう!
・充血:炎症を示唆→痒がったり、目やにがないかを見ておこう!
正常時でも割と赤いことがあるので、「全身の状態」や「普段の様子と違うか」などもしっかりチェックしておくことが大切です。
『口腔内をチェック!!』
口はとても重要な身体検査の1つです。
毎日歯磨きなどを練習されている方は、ついでに口腔内のチェックを行うことで、病気の早期発見につながることでしょう。
①口臭をチェック
口臭の原因のほとんどは歯周病によるものです。
しかし、歯周病以外にも腎臓や肝臓、胃の病気が考えられます。
口臭に関しては過去の相談部屋でまとめた記事や『オタ福の語り部屋』でまとめた記事があるので、そちらを参考にして見て下さい。
②口腔粘膜(歯肉や舌)をチェック
口腔粘膜の色はヘモグロビン濃度や酸素化の程度、赤血球の数を示していて、多くの情報が得られます。
歯肉の色
・黄色:黄疸を示唆→肝疾患や溶血が起きているかも
・蒼白(青白い):貧血を示唆→全体的な体調も確認しておこう!
舌の色
・ピンク〜赤色:正常時
・紫色:チアノーゼを示唆→息苦しそうなら早急に病院へ
③デキモノが無いかをチェック
口腔内腫瘍は腫瘍の中でも発生率が高い腫瘍です。
高齢犬・猫を飼育している場合は注意して、観察してあげましょう。
特に臼歯(奥歯)付近や硬口蓋(上顎)の腫瘍は発見が遅れる可能性が高いので、注意深く観察することをお勧めします。
④毛細血管再充満時間(CRT)とは
毛細血管再充満時間とは
『歯肉を指でグッと押して、白くなった部分が何秒で元の色に戻るかを見る試験』です。
脱水や心拍出量(心臓が全身へ送り出す血液量)が低下しているときにはこのCRTが延長します。
脱水や心疾患を調べるのに使う試験です。
これはお家でも簡単にできる試験だと思います。
結果からわかること
正常時:1~2秒で元の色へ
異常時:2秒以上かかる→脱水、心疾患を疑う
『その他、できること』
「鼻のチェック」
・左右対称であるか?
・鼻水は出ていないか?
・鼻水の性状は?→サラサラ?orネバネバ?、無色?or黄緑色?
・鼻血は無いか?
「耳のチェック」
外見
・皮膚炎は無いか?→赤い、脱毛
・腫れてないか?→腫瘍や結節、内出血を示唆
耳の中
・臭いはしないか?→感染症を疑う
「首のチェック」
・気管が触れるか?
・気管がベコベコしてないか?→気管虚脱を示唆
「体表リンパ節のチェック」
体表リンパ節の腫れは感染症やリンパ節への腫瘍の転移がある時に見られます。
ただ、
『腫脹→何か起きている』はわかっても
『腫脹していない→異常なし』とは言えないので注意が必要です。
ただ、『腫れている+なんか元気無い』という場合は病院へ連れていくべきだと思います。
体表リンパ節は5つ
・下顎リンパ節
・浅頚リンパ節
・腋窩リンパ節
・鼠径リンパ節
・膝窩リンパ節
【最後に】
今回はお家でもできる簡単な身体検査を紹介しました。
目と手があれば、できちゃう検査法なので、普段から身体検査の練習として取り入れていってもいいかもれません。
【謝辞 -写真提供者さんのご紹介-】
写真を提供して頂けるとより伝わりやすい解説記事を書くことができます。
今回、写真を提供されたRikkaさんとチワワの龍馬ちゃんには感謝申し上げます。
Rikkaさん
龍馬ちゃんの飼い主さん
Rilkkaさんのツイッター→Follow @riro_chihuahua
RIkkaさんのブログ↓
龍馬ちゃん
14歳のチワワ。可愛さの塊。
【病気の徹底解説は『オタ福の語り部屋』まで】
オタ福の語り部屋では『獣医学の追求』をスローガンに徹底的に病気を解説しています。ぜひ、遊びに来て下さい。
【病気の個別相談は『オタ福の質問箱』まで】
かかりつけ医がいる飼い主さん限定で個別に相談を受け付けています。
「うちの子、似たような病気かも…」など
学生の身分であるため診療行為は行えませんが、主治医の診断や処方された薬の補足説明や助言、オタ福の見解などご説明いたします。
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